Published on 09.04.25
【台湾日和12】銭紙を燃やしてあの世へ送金、墓前で親族が宴会…台湾式「お墓参り」のお作法
親戚一同が集いお参りをする「清明節」
4月初旬、台湾では「清明節」(チンミンジエ)と呼ばれる祝日があります(4日、5日、6日のいずれか)。
これは日本の「お彼岸」に相当し、先祖の墓参り(掃除する)日と定められており、親戚などが田舎に一堂に会する一大イベント。
この日は国民の休日となり、公共の交通機関は混雑するので旅行の際にはご注意を。
台湾では「お墓は死者の家」という考えのもと、2階建てのお墓もあれば、豪華な装飾を施したお墓もあり、かなり派手で個性的。
土地によって、風水的観点から「いい方角」があるようで、お墓の向きがまばらなうえ、通路らしい通路もないことがほとんど。そのため、よそのお墓にちょっとおジャマして通り抜けさせてもらうことも。
お墓の掃除は、「雑巾を絞って墓石をていねいに拭く」というものではなく、お墓の周りに生い茂る草木を整理したり、床を水洗いするといった大雑把なもの。
とはいえ、個人でお墓を建てることも多い台湾では、 あちこちに散らばった親族のお墓を掃除するので半日仕事。しかも、それらのお墓は、風水的にいいとされる自然が豊かだったり、見晴らしのいい場所に建っているのです、
夫の家族は家族でひとつのお墓に入っていますが、祖父と祖母は宗教の違いで別のお墓が建てられおり、お参りの仕方も異なります。
「紙銭」を燃やしておカネを届ける
台湾式のお参り方法は、まずお墓を守ってくれている土地の神様にお線香をあげてから。
そして、お墓の前で「紙銭」と呼ばれる大量の紙を燃やす風習があります。
紙銭はお墓参りに限らず、日常の参拝でも用いられますが、燃やすほどにあの世にいる親族が裕福になるのだとか。そして燃やす側にも現世御利益があるとされています。
「金紙」は神様へ、「銀紙」は祖先や鬼へというように、色によって用途も異なります。最近では紙で作ったベンツや別荘まで登場。
あの世でも金満思想なのかと思うとちょっとゲンナリしてしまいますが……
天国への送金を終えると、つぎは鮮やかな紙が登場。
これをお墓の天井に等間隔に並べて石で押さえます。これにはお墓の修繕の意味が込められているのだとか。
独特の供養の方法に問題点も…?
お墓参りのあとは、食事タイム。
今回は家に帰ってみんなで食事をしましたが、お墓の前で食べることも。「お墓でご飯!?」とはじめてのときは驚きましたが、お墓参りは飲めや歌えやのお祭り騒ぎ。
ところで、最近台湾では「ネット参拝」なるものが推奨されています。
従来の参拝方法では、燃やした紙が山の木に燃え移ることも多いうえ、あちこちで大量に燃やすため大気汚染に繋がるというのがその理由。
最近は土地が少なく、値段も高いことからお墓を建てず「廟」(道教をはじめとする寺院)にお骨を保管する方法を選ぶ人も増えているので、将来的にはこうしたお墓参りも受け入れられていくのかもしれません。
長い歴史を経て、現在へ受け継がれた命たち。
1年に一度でも、子孫が元気な顔を揃え楽しく食事をすることが、先祖へのなによりの供養なのではないかという気がします。
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