Published on 09.07.19
【イイネ☆シンガポール07】国民の8割が暮らすHDB(団地)、富裕層と外国人が暮らすコンド…住宅事情を紹介
シンガポールの住宅事情
05年、はじめて仕事でシンガポールへ来たときに住んでいたのが、先日「タンジョン・パガー Tanjong Pagar」の記事でご紹介したような、ショップハウスの一室。
1階はスパになっていて、その2階のひと部屋を借りて住んでいました。
冷蔵庫、シャワー、トイレ、ベッドなどはついていましたが、洗濯機がなかったので1階のスパのスタッフが洗濯物を持って帰って洗濯。
キッチンもついていなかったので、もちろん食事は外食。いま考えるとけっこうサバイバルな生活でしたが、当時はシフト制の仕事だったので、あまり気にならなかったように思います。
先日、住んでいた近所まで行ってみたら、ちゃんとセコムがついていました(私が住んでいたときはついていませんでした)。
8割の人々が暮らす公団住宅
さて、ではシンガポーリアンはみんなショップハウスに住んでいるかというと、そうではなく(上記の私の場合は例外)、人口の8割が「HDB」に住んでいます。
HDB は「Housing Development Board」の略で、シンガポール国民を対象とする公団住宅のこと。公団団地なので外国人は購入できないのですが、借りることは可能です。
実際、単身でシンガポールへきている日本人の多くがHDBを借りて、何人かでシェア。
マスタールームとコモンルームがあり、バス、トイレが2つ以上あるタイプが多いようです。
お湯につかる習慣がないので、ほとんどバスタブはついていません。場所によりますが、家賃は約月700~1000Sドル(約4万5000円〜6万5000円)。
HDBは賃貸料金もコンドミニアムにくらべると安く、1階はホーカーセンターや地元クリニック、スーパーも近くにある場合が多いのでとっても便利。
下の写真のように、洗濯物を干している光景もよくみられます。
上の階の人が色ものを洗濯してあまりしぼらないまま干すと、下階で干していた白い洋服に洗濯ものの水がしたたって、色がついてしまう悲劇もあるんだとか。
富裕層が暮らす高級マンション
では、外国人がどこに住んでいるかというと、コンドミニアム(民間による高層住宅)に住んでいる場合が多いです。
多くの日本人駐在員はコンドミニアムに住んでおり、もちろんシンガポーリアンも住んでいます。
コンドミニアムには、プール、ジム、テニスコート、バーベキューピットなどが敷地内にあり、入り口にはたいてい24時間体制でセキュリティーがいます。
市街から離れている場合は、最寄りのMRTまでシャトルバスサービスもあり、大きなコンドミニアムになると、ちょっとしたコンビニやスパ、カフェが入っていることも。
シンガポールの高層住宅で便利だなと思うのは、HBDでもコンドでも、下記のような「ダスト・シュート」が各ユニットもしくは各階についており、日本のようにきまった曜日に分別してゴミ出しをしなくていいのはラク。
分別しないので、このゴミ出し口の大きさに入るゴミであればいつでも捨てられます。ただ、すぐに閉めないとなかからごきぶりが出てくるときも…
少数派だけど戸建てに暮らす人も
そのほか、かなり少数派ですが戸建てタイプの住宅もあります。
これらの住宅は、テラスハウス、セミディタッチトハウス、バンガローに分類されます。
テラスハウスとは、2階~4階建くらい住宅が数件連なって建てられているタイプ。
セミディタッチトハウスも、厳密には一戸建てではなく、片側の家の壁が隣の家とくっついて建てられているタイプ(下の写真)。
一見二世帯住宅のようにみえますが、隣に住んでいるのは赤の他人。壁が隣合わせになっているので、シンガポールに来たころは不思議に思いました。
「火事になったらタイヘンだな」などと、他人ごとながら勝手に心配も。
バンガローは、一軒家のこと。たいてい広い庭とプールもついていることが多いので、西洋人は好んでバンガローを借りることが多いようです。
開発が進むシンガポール
シンガポールで高級住宅街というと、やはりオーチャード近辺(District 9)やリバーバレー River Vally(Distict 9&10)。
日本人も多く住んでいますが、06年から07年にかけて賃貸が高騰し、郊外へ引っ越す人も多くいました。
ちなみに、オーチャードエリアのコンドミニアムはユニットのサイズにもよりますが、1億円からというお値段。
08年には停滞していた不動産業界も、今年に入って景気の回復を見込んでか新しいコンドミニアムの販売促進が目立ちます。
シンガポールでは何軒もの物件を所有するのはめずらしくなく、投資目的にコンドミニアムを購入し、貸出しておいて、値段が上がったところで売りに出すということがよく行われています。
では、シンガポーリアンがみんな億ションを買えるほどリッチなのかというと、もちろんそうではありません。
事業が成功したとてつもないお金持ちもいますが、上記のようにうまく儲けている人もいれば、失敗して借金地獄に落ちたという話もよく聞きます。
ただ、株か土地、物件の売買はうまくいけば儲かる手段のようで、何人か集まるとたいていこの手の話題で盛り上がっています。
最近は外国からの投資家もこういった物件を購入しているらしく、中国本土、中近東の人たちが多いのだとか。
通常の物件のほかに、2010年にはマリーベイにカジノとホテルが完成予定で、セントーサ島にもユニバーサルスタジオやカジノの建設が進められています。
現在はどこにいっても建設ラッシュなので、5~10年後には、また「新しい」シンガポールになっていることは間違いありません。
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