Published on 09.08.16

【香港虎の巻10】小学校入学前に九九や英語ができて当たり前！幼稚園から加速する香港の熱〜い教育事情

わが家の娘は4才。上海、インドと転々としてきたわが家ですが、やはり気になるのはその国の教育事情。

国が変われば、教育事情も変わります。それぞれのお国柄が見えてきて、なかなかオモシロいものですが、今回は娘が通うローカル幼稚園を中心に、香港の教育事情について紹介します。

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ご存知のように、香港は土地がとても狭い国。幼稚園のために土地を割り当てるなんてぜいたくなことはできません。

では、幼稚園はどこにあるのでしょう？

たいていの場合、マンションやビルのなかにあります（小学校や中学校などの「学校」は日本同様独立した建物）。

娘が通う幼稚園も、アパートの1階（香港式では「地下1階」）。もちろん園庭はなく、そのかわり室内に遊技場が設けてあります。

滑り台で遊ぶのも室内、三輪車を漕ぐのも室内。

インドで通っていた幼稚園（いわゆる一般的な家庭が通わせるローカルの幼稚園）には芝生の園庭があったので、この落差にはガッカリしたものです。
ただし、インドの酷暑のなかでは外遊びの時間はほとんどなかったので、外で思いっきり遊べる日本の幼稚園が本当にうらやましいかぎりです。

さて、香港では中国返還前は英語と広東語が公用語、返還後はさらに普通語（北京語）も加わったため、幼稚園でも英語と普通語、そして広東語の3ヵ国語を勉強します。

一般的な幼稚園では、基本的な会話は広東語で行われ、英語と中国語の授業があります。
「中英文幼稚園」になると英語と普通語の比率が高くなり、ローカルインターと呼ばれているさらに教育熱心な「英文幼稚園」では、園内では基本的に英語を使います。

もちろん英語の授業はネイティブの英語の先生が担当。なんともうらやましい環境ですね。

教育熱の高い香港では「幼稚園＝勉強する場所」。パソコンの授業だって当然ありますし、毎日たくさんの宿題が提出されます。

年少では線を引いたり、色を塗ったりするだけですが、年中ともなると英語・普通語それぞれの宿題があるほか、漢字の書き取りや算数問題もあります（下の教材は、年少クラスで使用するもの）。

これは香港に限ったことではなく、上海やインドでも子供が小学校にあがるころには九九やカンタンな計算はひと通りできるようになっています。
香港の幼稚園は午前と午後の2部制。娘の幼稚園は午前のクラスは9時～12時、午後のクラスは13時半～16時半。

あと、共働き家庭のために全日制も設けてある幼稚園もあります。

上海の幼稚園では、子供を9時～16時まで預かってくれるところが多かったのでママたちも自由に遊べていたのですが、保育時間が3時間ではなにもできません（トホホ）。

幼稚園に行っていない時間はなにをするのかと言うと、これがまたまたお勉強やお稽古事なんですね。

娘の友達も、幼稚園は午前のクラスに通って、午後はお絵かきやバレエのお稽古をしています。年中になると週1回、幼稚園で英語の補修もあるようです。

「幼稚園でこんなに勉強するなら、小学校になるとどうなるんだろう」と思いますよね。

小学生の子供を持つ友達に聞いたところ、小学3年生になると成績でクラスわけがあるそうです。

しかも宿題の数が半端じゃない。1日平均6〜7つは宿題を持って帰ってくるそうで、夜遅くまで家族総出で宿題にとりかかる日もあるらしいのです。

もちろん放課後や土曜日は、みんな当然のように学習塾に通っています。公文も香港人には人気ですよ。

いっぽうで、勉強のストレスや親や先生からのプレッシャーで、家庭内暴力や若くして命を絶つ子供も少なくなく、香港の社会問題となってます。
しかし、それでも「ゆとり教育」が叫ばれるようになるのはまだ先の話のようです。

娘もあと数年後には小学生。このままローカル小学校に入れるのか、はたまた日本人学校に入れるべきか、頭がイタイところであります。

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Tags: 香港虎の巻