Published on 09.11.01
【香港虎の巻21】水上式家屋が並び干物がたなびく…香港DLや香港空港がある「ランタオ島」はリトル・ヴェニスだった!?
ランタオ島ってどんな島?
香港にはたくさんの離島がありますが、そのなかでも一番大きく、かつ有名なのが「ランタオ島」(大嶼山)。
そう、国際空港やディズニーランドのある島です。
このランタオ島には魅力的な場所がたくさんありますが、今回は国際空港からほど近い場所にある「大澳」(タイオー)を紹介したいと思います。
今回、MTR西鐵線の終点「屯門」(チュンムン)から、路面電車の軽鐵(ライトレール)「屯門埠頭行き」に乗り、終点の屯門埠頭からは、船で大澳へ行きました。
右手に香港国際空港が間近に見え、すぐ頭上を飛行機が通り過ぎるので、わが家の娘は大喜び。テンション上がりっぱなしです。
途中、東涌(トンチョン)、沙螺湾(シャローワン)へ停泊し、大澳へと向かいますが、ランタオ島や離島の景色を眺めながらのクルージングは、ココが香港だということを忘れそうになるぐらい穏やかでのんびりした気分にさせてくれます。
約1時間のクルージングを終え、船は大澳へ到着。
高床式の水上家屋が並ぶ香港のヴェニス?!
ランタオ島の北西部に位置する大澳は「香港のリトル・ヴェニス」とも呼ばれています。
が、船着き場から見える景色はヴェニスのような華やかさはまったくなく、素朴で小さな漁村といった感じです。
海に面した家々は運河に軒を突き出した高床式の水上家屋。
「棚屋」と呼ばれるその水上家屋は、香港ではもうここ大澳にしか残っていないのだとか。
2000年に火災でほとんどが焼失してしまったそうですが、現在は復旧され、元のたたずまいを見せています。
こうした運河沿いに家々が建つ風景が、大澳が「リトル・ヴェニス」と呼ばれるゆえんなのでしょうか。
永安街から散策スタート
大澳散策の始まりは永安街(Wing On Street)から。
永安街の入口には「歴史文化室」という小さな博物館があります。
博物館というにはあまりにも簡素な室内ですが、住民から寄贈された食器や道具類などの生活用品、お祭り用の衣装などが並べられており、手作り感がいい味を出しています。
入場無料なので、大澳散策の手はじめにのぞいてみてください。
乾物を焼くニオイに誘われて…
永安街では漁港らしくあちらこちらで海産物が売っています。
捕れたての魚介類に乾物類、魚醤など、海産物独特の匂いが辺りを包んでいます。
私の前を歩いていた欧米人の男の子は終始鼻を押さえて、しかめっ面。慣れない人には、なかなか辛いニオイなのかもしれませんね。
さて永安街をしばらく歩くと、目の前に青色のカワイイ橋が見えてきます。
この橋を渡ると大澳のメインストリート(といっても小さなものですが)である街市街。
乾物類を売る店のほかにも、生地屋さんや雑貨店、食堂などが並び、ちょっと田舎の商店街のような雰囲気。
乾物屋の店先では七輪で干物を焼いて売っていて、思わずニオイにつられフラフラと店の前へ。
焼きたての干物はとても美味。
これでビールがあれば言うことなし、なんてついつい思ってしまいます。おまけに1枚だいたい10~15香港ドル(150〜180円)と安いので、大澳に来たならぜひご賞味あれ。
のんびりとした街並も
メインストリートといっても、ちょっと歩くとすぐ突き当たりにぶつかります。
そこで、突き当たりのひとつ手前の吉慶街(Gat Hing Street)を歩くことに。
地元の人で混雑する食堂、古い小さな雑貨店、乾物屋の作業場、家の扉を開け放しマージャンをする老人。
街市街を一歩はずれると、そこにはのんびりとした時間が流れていました。
吉慶街の先に、今度は赤い橋を発見。
新基大橋と呼ばれるその橋の上からは見渡すばかりの棚屋。
橋を渡ると、その先は商店もなく、ただ昔ながらの民家が軒を連ねています。
民家の横の運河にはマングローブが植わっているところが、さすが南国という感じです。
お茶をするなら「バルコニー・カフェ」
さて、とってもローカルでのどかな大澳ですが、ちょっとお茶をするなら吉慶街の「バルコニー・カフェ Balcony Café」がオススメ。
一見ローカル雑貨店のような店構えですが、奥に入るとその名の通りバルコニーにはテーブルが並び、棚屋や白イルカツアーの小船を見ながらお茶ができます。
子供用の絵本(ただし英語)やパズルも貸してくれるので、小さなお子さんも退屈せずに過ごしてくれますよ。
今回、私は屯門から船で大澳へ渡りましたが、ほかにも
香港島の中環(セントラル)から同じくランタオ島にある梅窩(ムイオー)行きの船に乗り、梅窩埠頭から1番のバス(大澳行き)に乗る
MRT東涌駅から11番のバス(大澳行き)に乗る
などの方法があります。
いずれにしても大澳まではかなり時間がかかりますが、そのぶん大澳は時代の波に流されず、とっても自然に溢れた街です。
中華白イルカのツアーにも参加できる
大澳から小船で15分程度の海には、貴重な中華白イルカの生息地もあるんですよ。
開発の進む香港ですが、大澳はずっとこのままの変わらぬ姿であり続けてほしいと願っています。
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