Published on 10.01.29
【旅*流儀66】2010年初頭にJALは「破綻」、JTBは「決心」…海外旅行をリードしてきた2大企業の現在と気になる今後
JALの破綻と気になる今後
経営破綻した「日本航空(JAL)」の話題が、新聞やテレビで連日報道されています。
負債総額は約2.3兆円、金融機関を除くと過去最大規模となるJALの破綻。株主でなくとも、JALマイレージ会員なら今後の行方は気になるはず。
私自身も09年9月に、今年(2010年)の夏の旅行のためにJALの特典航空券に交換していたので「利用できなくなってしまったらどうしよう!」と不安でした。
株主は大損でやりきれない気持と思いますが(私の実家もそのひとり)、マイルに関しては継続されるとのことでまずはひと安心。
再建策として、路線削減や地方空港からの撤退、人員削減などいろいろいわれていますが、JALのシンボル的存在だった「ジャンボ機」(ボーイング747)も燃費の優れた小型機に移行するなどして、売上高や人員を全日空(売り上げ高1兆4000億円、従業員3万3000人)と同程度に縮小するのだとか。
人員削減は、グループ全体の3分の1に相当する1万5000人を想定しているそうで、JALで働く友人の行方はどうなるのか…と思いました。
JALといえばかつては人気の就職先で、日本の花形企業のイメージがあったので残念。
とはいえ、向こう3年で黒字転換し再建を果たしてもらわないと、注入された公的資金がそのまま国民の負担になりかねないので、しっかり起死回生をはかってもらいたいものです。
さて、JALのニュースにも関連して話題となっているのが、航空会社間の提携や統合。
JALは、世界最大手の航空会社・米デルタ航空と業務提携し、国際航空アライアンス「ワンワールド」から「スカイチーム」に移籍する方針を固めたそうです。
デルタ航空といえば、08年10月に全米5位のノースウェスト航空との統合を発表。2010年中旬に統合完了を予定しています。
ノースウェストのマイレージ会員であるわが家にも、去年お知らせと新しいマイレージ会員カードが届きました。
この統合は、デルタ航空がノースウェストの所有権を100パーセント持つというもので、これによってサービスの統一化が図られます。
たとえば、ノースウェストでは国際線エコノミークラスのアルコール提供は有料でしたが、デルタが無料でサービスしているため、ノースウェストでもビールとワインに限っては無料化(カクテルなどほかのアルコールは有料)されました。
これだとコストが増えるのでは…と考えてしまいますが、統合自体が生き残るための施策なのでたいした問題ではないのでしょうね。
JALがアメリカン航空の支援を受けることになれば、JALエコノミークラスのアルコール提供も有料化されたかもしれません。
JTBの選択は「消費者視点」のサービス
原油高や消費低迷といったマイナス要素が並び、すべてが低コスト化に向いているような雰囲気がある旅行業界で、あえて違う道を選んだと思われるのが「ルックJTB」。
JTBの旅行商品のなかで、海外旅行のパッケージ商品を「ルックJTB」というブランドで販売しています。
海外旅行の売り上げが3年連続前年比割れという状況のJTBが、16年ぶりに大幅な商品革新を行うと発表しました。
18万人の顧客アンケートや、添乗員や販売店からの声を反映させた「顧客視点」で商品の改善を検討したそうです。
具体的には、
- 申込時に日本発着の航空会社、便名を確約
- 利用する航空会社の「指定なし」を全廃
- 追加料金なしで往復ともすべての参加者に並び席を確約
- ホテルのグレードを見直し(Cランク以下は利用しない)
- バスタブ付きのお部屋を用意
- ツアー観光中のショッピングの廃止
など「なるほど」と思える項目がならびます。
品質向上することにより顧客満足も向上し、逆にコスト削減にもつながるという考えです。
たとえば、商品へのギモンが多いと問い合わせも増えますが、事前に明確にしておくことで問い合わせの電話も減り、販売店側の対応コストの削減になるというもの。
個人手配旅行の視点でみると「当たり前」だと思えることが、パッケージツアーでも「スタンダード」となりつつあるようです。
私自身、ツアーのパンフレット見るたびに「なぜ並び座席指定に料金がいるの?!」と不思議に思うことがありました。
ちなみに、ツアーでもあらかじめ便が決まり航空会社に顧客情報が入っていれば、直接航空会社に電話すれば(「確約ではないですが…」と言われながらも)座席指定のリクエストを聞いてもらえます。
【関連くちこみ】もっと快適な旅にするために「ダメもと」リクエスト
「子連れで離れると困るので!」とひと言つけ加えれば完ぺきで、これまで失敗したことはありません。
旅行代理店やツアーでは、自分でやれば無料なことでも手間賃を取られることも少なくありません(アメリカ入国に必要な「ESTA登録」などもそのひとつ)。
【関連くちこみ】「ESTA エスタ」登録は思いのほかカンタン
そもそも海外旅行は、可能な限り知恵を絞って主体的に行動することが大前提のレクリエーション。
それに、じつは諸手続も案外カンタンだったりするので、事前に自分でやってみましょうね。
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