Published on 10.04.16

【旅＊流儀75】家族みんなで「世界は広くてすばらしい」という思いを共有できる…これぞ子連れ海外旅行の醍醐味！

子どもと楽しむための「旅行スタイル」

子どもを海外に連れていくのには、私自身がなによりも海外旅行好きだということもありますが、さまざまな経験をさせたいのも理由のひとつ。

小さな子どもがいるから海外旅行をガマンするのではなく、子どもがいるから子どもと楽しめる旅行スタイルに転換することで、家族ですばらしい時間を過ごすことができました。

たとえば、それまでは周遊型だった旅行から滞在型へ。

時差や飛行時間を考えて行き先を決めたり、ホテルではなくコンドミニアムを選ぶなど、少し考えれば子連れでも快適に旅行できる選択肢もたくさん出てきます。

実際、旅先やプランニングを工夫したことで、赤ちゃん連れでも思ったほどタイヘンではありませんでしたし、楽しむこともできました。

「世界は広い！」から学べることはいっぱい！

私は、小さなときから外国にとても興味がありました。

日曜日朝のテレビ番組で「兼高かおるの世界の旅」という30分の番組がありました（年齢がバレてしまいそうですが）。

その名のとおり、ジャーナリストの兼高かおるさんが世界中を旅する番組で、見知らぬ国や地域が紹介され、私は毎週テレビの前にくぎ付けでした。

子ども心に、世界一周したいと思うようになった原点で「兼高かおるさんになりたい！」と思っていました。
1959年から30年10ヵ月間続いた旅番組ですが、調べてみたらなんと現在TBSチャンネルで再放送しているとのこと。残念ながら、スカパーやケーブルテレビでの視聴となるため、わが家ではいまのところ見れません。
海外旅行はレクリエーションではありますが、外国に出かけることによって、大人も子どもも目に見えないところで多くのことを学べます。

ひと言で表すのはムズカシイのですが、私自身、さまざまな地域に行き、多くの人と出会い、いろいろな経験をしたことで視野も広がり、考え方や物の見方が変わりました。

また、将来に役立つことも多いと思います。

たとえば、何度か旅行をしているとパスポートが必要なことに気がつきます。

「では、パスポートとはなにか？」からひとつずつ教え、空港での手続きや機内での過ごし方など、いまでは子どもも自分で自然に行動できるようになってきました。

いつかひとり旅をするようになるでしょうから、その土台づくりとでもいえるでしょうか。

また、あいさつと「ありがとう」だけは、最低限どこの国に行っても言葉を教え、自分から言えるようにさせています。

はじめは恥ずかしそうですが、子どもなりに異国の言葉を話し、声をかけてもらうとうれしいようです。ちいさなことから挑戦して、自信につながるといいですよね。

私も子どもには、世界に飛び出して欲しいと思っています。

世界を知る、社会を知るためのきっかけをつくってあげたい

先日、夕刊を読んでいると、林真理子さんの「格差社会の突破口は浪費にあり」という記事をみつけました。

子ども（若い者）にも理由があれば贅沢をさせよ、という内容です。
たとえば、飛行機でビジネスクラスに乗ってみると、近くにはファーストクラスが目に入ってくる。「この上もある」ということを知ることで、「自分もファーストクラスに乗れるようにガンバってみよう」と思うかもしれない。でも、エコノミーしか乗らなければファーストクラス自体が見えてこない…ということが書かれていました。
この記事は賛否両論かもしれませんが、私的には「なるほど」と思いました。

レストランに行きマナーを教えることも、社会を知るために必要なことのひとつではないでしょうか。

私も小さいころ、フランス料理を食べに行くなど外食する機会もあり、両親が日常生活でそれとなく教えてくれたことが大人になり非常に役立ちました。

メニューの見方やオーダーの仕方、マナーなど、何度となく通うと見よう見まねで身につきます。

親となった私は、家でナイフとフォークを用意して、時間がかかって多少周りを汚しても目をつぶろうと、少しテーブルマナーを教えてみました。

その延長で、旅行に行ったときに、さりげなく、ナプキンの使い方を教えたりと。

スマートなマナーは一夜漬けでは身につかないですし、将来、デートで恥ずかしい思いをしなくてもいいように、という親心もあります。

子ども自身、大人になった気分で意外にもお行儀よく食べ、楽しいようでした。

何でもきっかけは大事ですので、子どもが小さいうちは、親がその道を開いてあげられるといいですよね。

最後になりますが、すっかり海外旅行好きに育った子どもに「どうして旅行が好きなのか」を聞いてみました。

「日本にない、いろいろなものが見られて、行ったことのない場所に行くことがでる。新しい、はじめての体験がいろいろできる。国によってルールが違うことがおもしろい」などなど。

夕食時の話題でしたが、子どもも話して行くうちに興奮して話が膨らみ、食事はすっかり冷めてしまいました。

が、いままで聞いたことがなかっただけに、「これだけ考えられるようになったのか」と成長を目の当たりにしたうれしいひとときでした。