Published on 10.05.27
【旅モノ70】乗り物天国・香港でより効率的に移動するための市内交通情報について<ガイドブック比較3>
「ガイドブック徹底比較3〜基本情報編」
<ガイドブック4冊比較シリーズ>
【装幀編】厚さ、重さなどから子連れに最適な「ガイドブック」を検証
【地図編】街歩きに不可欠な「地図」が読みやすいのはどれ?
【基本情報】現地交通手段の情報はどの程度網羅されている?
【ホテル編】お気に入りホテルを見つけるための情報の質と量
【グルメ編】おいしいものにありつくための「グルメ情報」の実用性
【買物&総括編】買物もスムースにできて、子連れに役立つガイドは…?
写真左より「地球の歩き方 香港 ‘09~’10」2009年7月改定第22版/ダイヤモンド社/1785円、「ブルーガイド わがまま歩き 香港・マカオ」2009年7月 改定第8版/実業之日本社/1365円、 「ワールドガイド 香港・マカオ 広州・深セン」/2009年8月 改定第3版/JTBパブリッシング/1575円、「マップル 新個人旅行 香港 マカオ 深セン」2009年8月 改定第2版/昭文社/1365円、いずれも本体サイズ:210×136ミリ、A5版
乗り物天国「香港」をスイスイ移動できるガイドは?
ひまわり(母):どれも同じと思っていたガイドブックだけれど、これまで見くらべてきた装丁、装本や地図ページだけでもそれぞれ特色があったわね。
乾太郎(父):そうだね。比較してみるとなかなか楽しいよ。今日はナニを見くらべていこうか?
ひ:香港といえば、トラム、フェリー、地下鉄、バスなど、コドモたちも喜ぶ乗り物がいっぱいよね。今回は「香港の市内交通の情報」の内容を比較していきましょうよ。
【関連くちこみ】トラム、バス、フェリー…香港ならではの乗り物
乾:よーし、確かに香港内での移動はクルマよりダンゼン公共交通機関が便利だよね。まずはそれぞれどれくらいページ数をさいて説明しているのかチェックしてみようか?
ひ:
- 地球の歩き方……15ページ
- ブルーガイド……9ページ
- ワールドガイド……13ページ
- マップル…… 9ページ
と、いった感じね。
↑写真左上「地球の歩き方 香港 ‘09~’10」 、右上「ブルーガイド わがまま歩き 香港・マカオ」、左下 「ワールドガイド 香港・マカオ 広州・深セン」、右下「マップル 新個人旅行 香港 マカオ 深セン」
かなり開きがあるように感じるけれど、どういったところに違いがあるのか、代表的な乗り物別に見てみましょうか。
乾:そうだね。比較にあたり、どんな乗り物でも共通して記載をしておいて欲しい事柄を考えてみたよ。
- 路線の説明や路線図
- 初乗り運賃・切符の買い方(運賃の支払い方)
- おおまかな始発・終電の時間、運転間隔
- 乗車中の禁止事項、その他注意事項、アドバイス
といったところかな。
ひ:そうね。あっ、そうそう! 加えて、子連れ旅行でいつも悩むのが「子ども運賃・料金」と、「子ども運賃の対象年齢」!
これについても、きちんと記載があるかじっくりチェックよ!!
もっとも便利な交通手段「MRT」について
乾:よーし、しっかりチェックしよう!
まず香港移動の要といえばなんといっても「MTR(地下鉄)」だよね。香港主要部の移動は地下鉄さえ把握できていればほぼオーケー。
加えて、香港公共交通機関の利用をさらに便利にしてくれる非接触型ICカード「オクトパス」のことも4誌ともMTRにからめて説明しているようだよ。
【関連くちこみ】これ1枚あれば香港中をスマートに移動できる「オクトパス」
ひ:「オクトパス」は香港内の移動に欠かせないアイテムよね。オクトパスについては、
- オクトパスの種類・金額・購入方法
- 利用できる交通機関、交通機関以外の利用
- チャージ方法・払い戻し方法・払い戻し手数料
などが書かれているといいわね。
乾:「MTR」の情報を比較してみて、ボクが受けた印象はこんな感じだったよ。
- 地球の歩き方:4誌の中で唯一上記についてすべて記載アリ
- ブルーガイド:始発・終電、子ども運賃、早期払い戻し時の手数料など、記載のない点がちらほら。ただし、地下鉄駅入り口や改札・車内などの写真が多く掲載されていてイメージはつかみやすい
- ワールドガイド:概ね網羅されているが、子ども用オクトパスについての記載がないのが残念。主要エリア間のアクセス早見表などは便利そう
- マップル:オクトパスも含め、子ども運賃・料金については一切記載なし。残念!
ひ:なるほど。子ども運賃や対象年齢は全く触れられていないものもあるのね。これはぜひ早期に解消をお願いしたいところだわ。
あら、そういえば、MTRの子ども運賃は、年齢だけでなく身長でも制限があったわよね?
乾:あぁ、そうだね。確か、身長95センチ以上なら、3才未満でも子ども運賃の対象になるんだったよね。
ひ:このことについては4誌とも触れられていないわ。残念ね。
就学年齢(6才)から運賃支払い対象になることが多い日本に対し、香港はより早くから運賃の支払いを求められるわけだから、旅先で「知らなかった」で終わってしまうことのないよう、このあたりはきちんと記載をしておいてほしいわね。
乾:そうだね。身長の件も含め、4誌ともに掲載されていなかったのがオクトパス購入時の支払い方法。
現地到着後、両替前にオクトパスを購入したい人も多いと思うので、オクトパスがクレジットカードで購入できるのか否か(現時点では一般的なタイプのオクトパスはクレジットカードでの購入は不可)なども記載しておいてもらえると嬉しいな。
「スターフェリー」やトラム、タクシーについて
ひ:さて、早くて便利な地下鉄に対し、時間に余裕があってのんびり旅するなら、「スターフェリー」や「トラム」は外せないわよね。これらの情報はどうかしら?
乾:そうだね。「スターフェリー」と「トラム」については4誌ともほぼ同じくらいのページ数だったよ。内容をざっと比較してみたら、こんな感じだったよ。
- 地球の歩き方:「トラム」の子ども運賃の記載がなく残念。「スターフェリー」は子ども運賃についても詳細に記載があったが、1等席と2等席で乗り場が異なる旨の記載がなくこちらも残念
- ブルーガイド:「トラム」については子ども運賃の記載がありながら、年齢の上限の記載がなく残念。「スターフェリー」に関しては子どもについての記載がいっさいなく、ぜひ改善希望!
- ワールドガイド:「トラム」・「スターフェリー」とも、子ども運賃の記載がなくぜひ記載をお願いしたいところ
- マップル:こちらも「トラム」については子ども運賃の記載がなく残念
ひ:なるほどね。そうそう、コドモ連れだとイザというときにお世話になるのが「タクシー」よね。
たかがタクシーだけど、はじめての土地だと「どうやって停めるの?」とか、「どこでも拾えるの?」とか、「チップは?」なんてナゾがいっぱい。
香港のタクシーで事前に知っておきたい情報は、
- タクシーの種類(営業エリアごとの色の違い)
- 初乗り料金とその後の加算方法
- タクシーの拾い方(空車の見わけ・タクシースタンド・駐停車禁止区域の目印)
- 特殊な課金(海底トンネル代・トランクに積む荷物)・支払い方法・チップ
といったところかしらね。
香港のタクシーは3つの営業エリアにわけられていて、エリアごとに車体の色が違うのよね。
空港間の移動を除き基本的にはエリア内でしか営業ができないので色は知っておいたほうが便利だわ。
車体色の違いをはじめ、タクシーはいまのところまだオクトパスが使えないようなので、支払いは現金になることをぜひ記載しておいてほしいわ。
乾:よーし、どれどれ、内容はどうかな?
- 地球の歩き方:唯一全てにおいて記載アリ
- ブルーガイド:具体的な車体の色の違いや空車の見分け、現金払いになる旨は記載なし。海底トンネル利用の際課金されることについては記載があるが、具体的な金額などは記載なし
- ワールドガイド:キホンは現金払いとなる旨は記載なし
- マップル:空車の見わけ、基本は現金払いとなる旨の記載なし。駐停車禁止区域の説明では「車椅子は例外」の他誌にはないくわしいコメントあり
各誌で異なる「バス」に関する必要情報
ひ:なるほどね。ここまで見てきたところではそれぞれの乗り物で大きく掲載ページ数が変わることはなかったけれど、少ないものでは9ページ、多いものでは15ページと、全体的なページ数の違いの原因はいったいなんなのかしら?
乾:どうやら「バス」についての記載量の違いのようだよ。
ブルーガイドとマップルが1~1.5ページほどの掲載量なのに対し、地球の歩き方・ワールドガイドでは4ページほどさいて掲載しているね。
ひ:確かに、同じルートでも高速のものがあったり、降りる場所もわかりにくかったり、さらにミニバスになると広東語がわからないとかなりムズカシイ点もあって、バスはハードルが高めよね。
乾:そうだね。とはいえ、「スタンレー」や「海洋公園」など、代表的な観光地でもバスでのアクセスを余儀なくされるケースは多いから、そういった地に赴くバスだけでも、細かい情報が欲しいところだよね。
ひ:その点一番詳細に情報を掲載しているのは地球の歩き方ね。香港の主要駅近くのバス停の位置を地図で掲載してくれているのでとても便利だわ。
乾:香港のバスはルートごとに数字とアルファベットからなる路全番号がついていて、使われているアルファベットや桁数に意味(特急バスや深夜バスなど)があるんだけれど、そのアルファベットの意味を唯一掲載していたのは、意外にも掲載量が一番少ないマップルだけだね。
ひ:うーん、今回は全体的に見て「地球の歩き方」に軍配、といった感じかしらね。
パーフェクト、というわけではないけれど、公共交通に関する情報量は一番多いし、わかりやすいと思うわ。
乾:どのガイドブックにも言えることだけど、全体的に「子ども」に関する情報をもう少し意識して取り入れてほしいね。
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