Published on 10.05.08
【香港虎の巻40】香港でもっとも古い集落を巡るトレイル「屏山文物徑」で、かつての香港の生活を垣間みてみよう
かつての香港の暮らしってどんな感じだったの?
移り変わりの激しい香港。
古い建物がどんどん取り壊され、近代的な高層ビルへと生まれ変わり、より機能的で便利な街へと変わってきました。
高層ビルが立ち並ぶ以前の香港、ずーっとさかのぼって原住民たちが住むころの香港っていったいどんな感じだったのでしょうか。
「尖沙咀」(チムサーチョイ)や「銅鑼湾」(コーズウェイベイ)のような都会ではもう昔の香港の姿を見つけるのは至難の技。
それこそ「歴史博物館」にでも行かなければ出会うことはできないかもしれませんが、新界にはまだまだ昔のままの香港の風景が残っています。
今回は以前紹介した「流浮山」の近くにある「屏山文物徑 Ping Shan Heritage Trail」を歩き、香港の歴史めぐりをしたいと思います。
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600年の歴史を持つ集落「屏山」を歩いてみよう
「屏山」とは天水圍南西部の地名。
香港でもっとも古い集落のひとつで、なんでも600年もの歴史があるそうです。
政府によって「文物徑」(heritage trail)が整備され、案内板も設置されているので、旅行者でも迷うことなく安心して歴史めぐりを楽しむことができますよ。
「天水圍」駅を降りると、目の前にある三重の塔
「流浮山」と同じ西鐵線「天水圍 Tin Sui Wai」駅を降りると、駅のすぐ目の前に六角形の三重の塔が建っています。
これは「聚星樓 Tsui Sing Lau Pagoda」といい、この地に住む「鄧 Tang」一族の子孫が官僚登用試験に合格できるようにと建てられた塔で、香港に唯一現存する古塔なのだとか。
そのためか、受験シーズンには合格祈願に訪れる受験生も多いのだそうです。
それにしても、駅の目と鼻の先、ニュータウンをバックに、600年以上もの歴史を持つ建物が取り残されたようにポツンと建っているというのもおもしろい光景ですね。
集落をぐるりと囲んでいた城壁も残されている
順路を進み、池に沿って集落に入ります。集落に入ってすぐ目の前にあるのが、200年以上の歴史を持つ「上璋圍 Sheung Cheung Wai」。
「圍」とは繁体字の「囲」のこと。原住民たちは村落の周囲を城壁で囲み、敵の侵入を防いできました。
新界でも城壁村はどんどん取り壊され、屏山文物徑でもこの上璋圍が残るのみ。
ちょっと残念ですね。内部が気になるところですが、いまも多くの人が暮らしている私有地のため中に入ることはできません。
さらに順路を進むと、古井戸を発見。
こちらも200年以上の歴史があるようです。井戸って、なんだかちょっと不気味ですよね。
神様が祭られている「楊侯古廟」
古井戸の横の小道を行くと、突き当たりにひっそりと建っているのが「楊侯古廟 Yeung Hau Temple」。
なかは3部屋にわかれていて、王侯、土地の神様、安産にご利益のある神様が祀られています。
古廟の左はニュータウン(下の写真、上)、右は村落(下の写真、上)、と左右でかなりギャップのある風景。
これも新界らしいところです。
学校やゲストハウスとして利用されていた歴史的建物
さて、村落の家々を眺めながら順路を進むと、つぎに現れるのは鄧一族祖先を奉っている「鄧氏宗祠 Tang Ancestral Hall」と、学校として利用された「愈喬二公祠 Yu Kiu Ancestral Hall」。
2001年に法定古蹟に指定された貴重な建物です。
次のポイントである「覲延書室 Kun Ting Study Hall」の手前に公衆トイレがありますが、政府が整備しただけあって清潔でとてもキレイ。
トイレットペーパーはもちろん、オムツ換え台も完備していて、小さな子連れでも安心して利用できますよ。
「覲延書室」は1870年に建てられ、学校として利用されていました。
内部は壁や扉に色鮮やかな彫刻が施され、学校とは思えないゼイタクな内装になっています。
隣接する「清暑軒 Ching Shu Hin」は訪れた学者たちのゲストハウスとして利用されていました。
残念なことに修復工事のため立ち入ることができませんでしたが、内部には古い映画に出てくるような台所や風呂場があるそうです。あぁ、見たかったなぁ。
歴史的建造物に漂う生活感
次に訪れたのは「述卿書室前廳 Entrance Hall of Shut Hing Study Hall」。
周囲を住宅に囲まれたこの歴史的建造物は、1874年に学校として建てられましたが1977年に解体され、エントランス部分の壁だけが残されました。
そしてその後、このエントランスを取り入れるように住宅が建てられたため、現在のような姿になったようです。
左右の階段を上がると、洗濯物が干してあったり、自転車が置いてあったりと、いまではすっかり住宅の一部と化してしまった歴史的建造物。
それはそれで、ちょっと微笑ましい光景です。
トレイルの締めくくりは「屏山鄧族文物館」で
トレイルのラストを飾るのは「屏山鄧族文物館」。
1899年に建てられ、当時は警察署として利用されていた建物を改装し、2007年に資料館としてオープンしました。
鄧一族が使用していた食器や農耕器具、婚礼道具などの他、屏山地区の昔の風景を写したパネルなどが展示してあります。
展示物は多くありませんが、入場無料ですし、小高い丘の上に位置するため周りの街並みを見下ろすことができ、トレイルのハイライトを締めくくるには絶好の場所だと思いますよ。
のんびり見学しても1時間ほどで見て回れるヘリテイジ・トレイル。
帰りは新界西のみに走る軽鐵(ライトレール)に乗って帰りましょう。
屏山鄧族文物館
開館時間:10時~17時(火~日)
休館日:月曜(パブリック・ホリデー除く)、旧正月
住所:新界元朗屏山坑頭村
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