Published on 10.06.17
【旅モノ73】買物もスムースにできる…子連れが海外に持っていくべきガイドブックは…？＜ガイドブック比較・結論編＞
「ガイドブック徹底比較6〜買物＆総括編」
＜ガイドブック4冊比較シリーズ＞
【装幀編】厚さ、重さなどから子連れに最適な「ガイドブック」を検証
【地図編】街歩きに不可欠な「地図」が読みやすいのはどれ？
【基本情報】現地交通手段の情報はどの程度網羅されている？
【ホテル編】お気に入りホテルを見つけるための情報の質と量
【グルメ編】おいしいものにありつくための「グルメ情報」の実用性
【買物＆総括編】買物もスムースにできて、子連れに役立つガイドは…？
写真左より「地球の歩き方 香港 ‘09～’10」2009年7月改定第22版/ダイヤモンド社/1785円、「ブルーガイド わがまま歩き 香港･マカオ」2009年7月 改定第8版/実業之日本社/1365円、 「ワールドガイド 香港･マカオ 広州･深セン」/2009年8月 改定第3版/JTBパブリッシング/1575円、「マップル 新個人旅行 香港 マカオ 深セン」2009年8月 改定第2版/昭文社/1365円、いずれも本体サイズ：210×136ミリ、A5版
やっぱり楽しく買物もしてみたい
ひまわり（母）：香港といえば「ショッピング」も楽しみのひとつよね。いとこの蘭子ちゃんも買い物大好きだし、ココはしっかり各誌の比較をしておかないといけないんじゃない？
乾太郎（父）：おっと、そうだ、蘭子ちゃんの買い物好きを忘れてた（汗）。きちんと比較をしておかないとあとで文句言われちゃうよー。
ひ：ふふふ。各誌の「ショッピング」掲載ページ数（香港のショッピング情報のみ。近隣地マカオなどの情報は除く）は以下のとおりよ。
↑写真左上「地球の歩き方 香港 ‘09～’10」 、右上「ブルーガイド わがまま歩き 香港･マカオ」、左下 「ワールドガイド 香港･マカオ 広州･深セン」、右下「マップル 新個人旅行 香港 マカオ 深セン」
- 地球の歩き方……37ページ
- ブルーガイド……21ページ
- ワールドガイド……36ページ
- マップル……11ページ
乾：やはり地球の歩き方が一番だけれど、ワールドガイドもほとんど変わらないね。マップルはかなり少ないなぁ。
高級ブランドより「アウトレット」が重宝されるご時世
ひ：地球の歩き方は、エリア別情報ページのなかにもショッピングの記事が織り込まれていて、ページ数に換算するとプラス12ページほど。つまり、トータル49ページほどになるわね。
ページ数もさることながら、やはりここでも地球の歩き方の細かな記載は突出しているわ。
「主要ブランドリスト」で、目的のブランドショップがどのショッピングセンターに出店しているかがすぐわかるようになっているし、主要なショッピングセンターは、各フロアの地図まで掲載されているのよ。
乾：へぇ、ブランドショッピングを目的としている人にはとても役立つね。
とくに、自分たちはブランドショッピングにほとんど興味がなく、どこにどんなお店があるかまったくわからないけれど、「香港に行くならコレを買ってきて！」と友達から頼まれてしまうわが家のような人には、このリストはマストアイテムだよ（笑）。
ひ：本当にそうね（笑）。
でも、この｢主要ブランドリスト｣、数年前までは他誌でも掲載されていたような記憶があるんだけれど・・・。最近はブランドショッピングは流行らないのかしら？
乾：そういわれてみると、以前は香港のガイドブックといったら「高級ブランドショップ」の記載が欠かせなかった感があるけれど、現行のガイドブックを見ていると、各誌「ブランドショップ」についての記載は思ったより少ない印象があるね。
ひ：マップルなんて、ショッピングセンターやデパートについての記載はあるけれど、そのショッピングセンターのなかにどんなブランドショップが入っているかはまったく触れられていないわ。
乾：あらためて見てみると、シャネル、ルイヴィトン、エルメスなど、個別の高級ブランドショップについての細かな記載があるのはワールドガイドだけだね。
地球の歩き方も「主要ブランドリスト」こそ掲載があるものの、個別の高級ブランドショップについて細かな記載はなかったよ。
各誌詳細な記載があるのは香港ブランドが中心だね。
ひ：「高級ブランド」に代わって、アウトレットやスーパーの記載が増えているかしら？
アウトレットショップが集まった「シティゲート・アウトレット・モール」も、中心地から離れているにも関わらずマップル以外の3誌で取り上げているわね。
乾：高級ブランドショップについて細かくとり上げているワールドガイドでも、高級ブランドと同列で「ジョルダーノ」や「G2000」など、「香港版ユニクロ」ともいえるリーズナブルなショップについて細かく掲載しているところもおもしろいね。
【関連くちこみ】香港版ユニクロ「ジョルダーノ」で子供服をゲット
やはりガイドブックも世相を反映しているのかな。
【結論】子連れにうってつけなガイドブックは…？
ひ：ガイドブックをこんな風に比較してみるのははじめてだったけれど、とても興味深くて楽しい作業だったわね。
乾：ははは、貴重な機会をくれた蘭子ちゃんに感謝、といったところかな。
その蘭子ちゃんの旅行も迫ってきているし、いよいよ「ベストなガイドブック」を報告しないといけないね。
おかーさんの「ベストなガイドブック」はどれだった？
ひ：うーん、どれもそれぞれいい点・不足の点があって、ベストな一冊を決めるのは本当にムズカシイんだけれど・・・。
ワタシの結論としては、家族旅行に持って行く一冊には「地球の歩き方」がベストかな、と思ったわ。
乾：なるほど。どういったところが？
ひ：やはり情報量では4誌のなかでも抜きん出ていたわね。
各誌、おおむね細かく記載している事項についても、さらに掘り下げて記載してくれているところがしばしば見受けられたわ。
「○○駅より××番バスで・・・」と書かれていても、実際現地にいくとそのバス乗り場がわからない、なんてことははじめて訪れる地だとよくあることだと思うの。
その点、地球の歩き方はバス乗り場の場所がわかるように地図を入れてくれていたり、文字での説明でも「○○乗り場を背にして左側にある××行きのバスに乗る」など、具体的にイメージしやすい記載をしてくれているのよね。
渡航前からかなり細かいところまでシミュレーションできて、「子どもを連れて路頭に迷う」なんてことが少なくなるんじゃないかしら。
乾：なるほど。確かに「かゆいところに手が届く」ような記載に助けられることも多いよね。
ひ：おとーさんの「ベストなガイドブック」は？
乾：ボクは今回はじめて見た「ワールドガイド」がレイアウトも見やすくていいな、とも思ったけれど、ベストはやはり同じく「地球の歩き方」だね。
ひ：おっ、同じ結論になるとは意外だったわ（笑）。おとーさんはどこがよかったの？
乾：定番中の定番で、ちょっと悔しい気もするんだけれど（笑）、やはりこの厚みと重さだけあって情報量はダントツだったね。
特集ページや読み物のページも読み応えがあって他誌とは一線を画していたよ。郊外のエリア情報も一番充実していたんじゃないかな。
ただ、4誌のなかで現地ショップの広告を掲載しているのは地球の歩き方だけ。
それゆえ、記事の公平性に異論もあるところだと思うけれど、それを差し引いてもよくできていると思うよ。
ひ：確かに広告掲載は賛否のあるところかもしれないわね。でも、広告とは一見相反するように見える、読者の「クチコミ」の掲載もポイントが高かったわ。
乾：うん、そうだね。地球の歩き方は、読者からの投稿、いわゆる「クチコミ」情報を昔から掲載していたけれど、インターネットが生活の中心にある時代になり、「クチコミ」の重要性・有効性は日常生活でもさらに増しているよね。
地球の歩き方はインターネットの「地球の歩き方」サイトと連動して、サイトに寄せられたクチコミやスケジュールを紙媒体にも活かしているから、今後ますます有益なクチコミ情報が期待できるんじゃないかな。
ひ：ワタシも何か購入しようとするとき「クチコミ」はかならずチェックするわ。やはり同じ「ユーザー目線」での情報は頼りになるもの。
インターネットだと求めているショップや観光地のクチコミだけを検索して終わってしまうけれど、紙媒体だと自分が求めていなかったことに対するクチコミも自然と目に入り、そこから新たな興味が広がっていく楽しさがあるわね。
乾：マップルの軽量さは感動ものだったし、カバーを外すとガイドブックには見えにくいアイデアと情報をシンプルにまとめてくれているブルーガイドもそれぞれのよさがあったよね。
でも、どちらも「子ども連れでの」や「はじめての」一冊とするにはいまひとつだったかな。逆にリピーターの人や、大人だけで身軽に、といった人には向いているかもしれないよね。
ひ：では、検討の結果、はじめて子ども連れで香港旅行に行く蘭子ちゃんファミリーにオススメの一冊は、「地球の歩き方」ということでよろしいでしょうか？？
乾：うん、結論が一致してよかった。早速連絡しておくよ。あぁ、ようやくひと仕事終わったキブンだね。さぁ、ビールがうまいぞ～♪
ひ：あら？ そういえば蘭子ちゃんのリクエストは「ワタシにぴったりなガイドブックを一冊選んでくれない？」と、「ついでにオススメの場所なんかも教えてね」じゃなかったっけ・・・？？
乾：うわーっ、すっかり忘れてた！！ 「オススメの場所」は考えてなかったよー（涙）。仕事終わらず残業キブンだ、トホホ・・・。
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