Published on 11.09.30
【旅*流儀147】フルサービス・キャリアでもなくLCCでもない…価格とサービスの質にこだわった「タイ・スマイル航空」誕生!(09.30)
欲張りな中間層に向けた、新しい航空会社が誕生!
日本でも、このところ話題にことかかない「LCC」(ローコスト・キャリア)。
最近のニュースでは、「タイ航空」が新しいブランドの航空会社を設立すると発表がありました。
その名も、「タイ・スマイル航空 THAI Smile Air」。
運航開始は、2012年7月を予定しています。
ただし、LCCではなく、かといって「タイ航空」のようなフルサービス・キャリア(FSC)でもないとのこと。
その中間にあたる「準プレミアム」(light-premium)というクラスを想定し、適度なバランスでサービスと価格を提供していくようです。
価格重視ではあるものの、サービスの質にもこだわる…という欲張りな中間層を取り込みたいそう。
こう聞くと、「こんなサービスを待っていた!」という人もいるのでは?
具体的には、中小企業の若手ビジネスマン、国内旅行者、政府関係者などをターゲットにしているようです。
↑タイ航空が100パーセント出資しているということで、ロゴには尾翼部分にはタイ航空のロゴ、機体にも小さくタイ航空のロゴと「THAI」の文字が入っています。
ハブ空港は、利便性の高い「スワンナプーム空港」
ここ数年のLCCの台頭だけでも目を見張るものがありますが、どういうビジネスモデルなのでしょうか。
タイ航空といえば、タイのLCC「ノックエア Noc Air」にも出資していますが、路線などはかぶらないのでしょうか。
LCCの場合、メインターミナルから離れたLCC専用ターミナルや、その都市のメインの空港ではなく、第2の空港から発着することもよくあります。
バンコクでも、「ノックエア」や「オリエント・タイ航空」(「ワン・トゥー・ゴー」と統一)がハブ空港として利用しているのが、かつての国際空港「ドンムアン空港」。
が、タイ・スマイル航空は、「エアアジア」や「ジェットスター・アジア」、「セブパシフィック」、「タイガー・エアウェイズ」と同じく、バンコクの「スワンナプーム空港」をハブ空港にするそうです。
路線は、まずは国内からスタート。
ノックエアとはかぶらない新路線となり、東北部のウボンラチャタニ、ウドンタニ、コンケン、北部のチェンライ、南部のスラタニへ就航。
いわゆるプーケットやサムイ島、チェンマイといった日本人になじみのある都市ではありませんね。
しかし、チェンライはミャンマー、ラオスと接する最北の地で、昔タイ北部を統治したランナー王朝の最初の都があった場所。
現在も、北部の独特の文化、寺院などの建築物が多く残っています。
また、スラタニは、サムイ島、バンガン島、プーケット、クラビなどへの乗り換えの要所としても有名。
ほかの都市も、日本人には認知度が低いですが、歴史や文化がある都市なので、じっくりと回ってみるのもおもしろそう。
気になる国際線は、2013年にインド、中国、ASEAN諸国への就航を計画しているとのことです。
日本への就航は発表もないですが、マレーシアの「エアアジア」の成功例から、いずれ日本への就航も考えているに違いありません。
バンコクを起点とする旅が、もっと楽しくなる予感
では、既存のLCCと異なるのは、どういった点なのでしょうか。
まず、機内食のドリンクの無料サービスがあるということ。
また、LCCでは荷物の預け入れは有料が当り前ですが、15~20キロくらいまでは無料にするとのこと。
「シンガポール航空」の子会社、「シルクエアー」もシンガポール航空よりも廉価ですがシンプルなサービス(機内食あり)、地域路線中心…ビジネスモデルとしては似ているのかもしれません。
具体的な運賃は不明ですが、やはりタイ航空とノックエアの中間になるはず。
ちなみに、バンコクまでは日本からは、タイ航空、ANA、JAL、ユナイテッド、デルタが直行便で就航。
乗り継ぎ便でも、夕方には到着する「チャイナエアライン」のほか、アジア各国からもアクセスのいいバンコク。
いまや、アジア主要都市でLCCに乗り継いで移動する旅行スタイルも一般的になっていますよね。
エアラインの選択肢がますます多様化することは、私たち旅行者にとってもうれしいことですね。
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